マリーアントワネット シュテファン・ツヴァイク著 感想

Book

きっかけ

自分が10歳になる前に読んだ漫画「ベルサイユのばら」は、絵が魅力ではあったものの、まだその頃の私にはフランス革命も恋愛も理解困難で、全巻は読み切ることが出来ませんでした。

中学か高校の授業で、「マリーアントワネットは、国民に嫌われてギロチンにかけられた。苦悩により1日にして白髪になった」と聞いたときには、”あの可愛いアントワネットの最後がそんなことになっていたなんて!”と驚きました。驚愕の事実を知識としてはインプットしたけれど、感情では受け入れることが出来ず、「ベルサイユのばら」を読み返すこともなく日々過ぎていきました。

そして、つい最近になってシェークスピアを読み返して、欧州の文学の世界に浸り、なんとなく小さい頃に読んだ「ベルサイユのばら」が欧州の歴史的背景をより理解するのに良さそう!と軽い気持ちで読み始めました。

オスカルとアンドレ

ベルサイユのばらの感想

マリーアントワネットが主人公だと思っていたら、、話の中心はどちらかと言えば架空の人物オスカルとアンドレの恋愛です。私は、今頃になってオスカルがいまだに人気があることを理解しました。

小学生の頃、友人のお姉さんが熱狂的なオスカルファンで部屋中、ゴミ箱の絵柄にいたるまでオスカルだったことを鮮明に覚えています。そして今、私はその感情を100%理解できます😊また、アンドレが素敵すぎます✨この恋愛については、女性上司がふえてきている、そして人権がより尊重されている現在のほうが合っていると思うので、今読んでも感情移入しやすいです。

読んで本当によかった!

マリーアントワネット

「ベルサイユのばら」は、メインキャストは4人ですが、やはりオスカルが主人公になりますので、アントワネットについては、特にオスカル死後は歴史的事実の描写にとどまっています。

そこで、作者の池田理代子先生が参考にしたという「マリーアントワネット」(シュテファン・ツヴァイク)を読んでみました。

マリーアントワネット シュテファン・ツヴァイク 上下 感想

伝記と言える書物で、可能な限り史実に基づいて書かれているのですが、小説の要素ももちろん多分に有り面白い。

私は、マリーアントワネットの悲劇をなるべく見ないように聞かないように読まないように生きてきた気がしますが、この本を読んでよかったと思います。

今の時代には考えられないことばかりで、息を飲むシーンがいくつもありました。私は同じような境遇を体験した場合の自分の感情すら想像出来ない。つまり、同情もできないほど時代と立場が離れている。ただ、女性として共感ができる。

そして、その王妃の波瀾万丈な人生は、歴史のなかでは、ほんの通過点に過ぎない。

結末が分かっている上、事実に基づいた話なのですが、とても印象に残る本でした。

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