ASKA 75分スペシャル ASKA premium ensemble concert –higher ground-の感動が再び

Entertainment

2020年11月、テレビ東京で「ASKA 75分スペシャル」が放映されました。

ASKAの音楽活動ドキュメンタリーで、前半はインタビューやVRの生配信の様子、後半はASKA premium ensemble concert –higher ground-の一部が紹介されました。

2月に開催された東京文化会館でのそのコンサートを鑑賞したのでレポートを残したいと思います。

うまくお伝えすることよりも、自分の中のこの思いを忘れないうちにという気持ちでレビューしています。

私は、音楽関係者ではなく一般人です。学生時代や留学中は勉強中心で生活し、社会人になってからは仕事中心、子供ができてからは子育てと仕事、つまり音楽に詳しいわけではないので、私は音楽の観点から感想を書くことは残念ながらできません。ただ、ASKAの音楽は心に触れるので。

ASKA premium ensemble concert –higher ground-のレビューは4のところをクリックするとジャンプします↓

ASKAのアート 詞(言語芸術)とメロディ(音響芸術)

小さいころからチャゲ&飛鳥(CHAGEandASKA)は知っていました。名前も顔も音楽も一致していましたから、すでに有名人でした。

私が中学生のころ、「モーニングムーン」という曲が発売され音楽番組でよく流れていました。そのとき「なんか今までと違う」と感じましたが、中学生にとっては大人のテイスト。リズムがよいのかメロディがよいのか、惹かれるけど「多分自分はこの音楽のリスナーとしてのターゲットではない」という印象です。ただ、イントロが好きで従兄弟からダビングしてもらって何度も聴きました。

「飛鳥涼ってすごくない?」

高校生の時、(映画や舞台であれば)スタンディングオベーションしたいような気持ちが沸き上がります。光GENJIデビューのときに。年齢でいうと私は16歳くらいでしたから、すでに「アイドル」の曲は聴かなくなっていたし、友達も同様でした。ところが、光GENJIのデビューに関しては曲がなんというか芸術作品。”アイドル”を応援する姿勢を恥ずかしいと思ったり、友達にからかわれるのが嫌だったりする年ごろです。そういった思春期の、子供っぽいものに対する排他的な気持ちを超えて、当時の私のような”半分大人・半分子供”を光GENJIに夢中にさせたのは、ASKAの詩でありその詩を乗せたメロディだったのです。もちろん、ローラースケートを履いた若々しくてとても可愛らしい光GENJIの存在は大変重要ですが、それだけではあの難しい年ごろの女子高生を巻き込むことはなかったと思います。

最初の2曲「STAR LIGHT」と「ガラスの十代」は、当時の私たち10代のこころの言葉をそのまま詩にされたような、うまく言葉を使って表現できないもどかしい思いを代弁してくれているような、、「応援歌」でもなく「寄り添う」ともちょっと違う、、そういう曲です。音楽としてもローラースケートを履いた少年たちという点でもインパクトは非常に大きく衝撃的でした。特に、デビュー曲「STAR LIGHT」は、何かが始まる期待感とどこか不安定なものが入り混じって、新しい何かを肌で感じ取りました。いつの時代も若ければ若いほど理由なんてないし必要ない。直感で好きか嫌いかだけ。大人になって振り返ってみて理由付けはやろうと思えばできますが、若かった私たちは何に対しても忖度なく選んでいるわけです。そしてデビュー曲からしばらくして「ガラスの十代」リリース、あの歌詞に共感しない学生は当時いたのでしょうか?

言葉では表現できない称賛の気持ちが、必然的に作詞者作曲者に対して生まれました。

ちなみに、その頃学校内の同年代の光GENJIファンとの会話で必ず誰かから出る台詞は「飛鳥涼ってすごくない?」。その意味は「なんで十代の気持ちが分かるの?なんであんな風に表現できるの?どうやって曲作ってるの?」です。

また、光GENJIの最初のアルバムは作詞作曲ともにすべてCHAGEandASKAだったと思います。(今も実家にあります。)有名アーティストがアイドルのアルバム制作に全面的にかかわることはそれまでなかった気がします。モーニングムーンのときもそうでしたが、新しいことに突き進んでいく姿を垣間見ることが出来ました。

その後、私自身が受験を迎えるにあたって、テレビから離れます。音楽は、勉強に集中できるようにバックミュージックに適したピアノなどのCDを聴いていたので、一時期ポップスは遠い存在になりました。

1991年 コンサートへ

受験が終わり新しい環境で私なりに頑張っていたものの同時に自分の将来がなんとなく透けて見えてきた頃、TVを積極的には観なかった私にもCHAGEandASKAのヒット曲「SAY YES」は至るところで流れていましたので耳に入ってきました。美しいラブソングはASKAのイメージにとても合う、「君は確かに僕を愛してる」・・ASKA以外歌えない歌詞だなぁと思ったものです。

地方でもコンサートが開催されると知り友達と行くことになりました。行く前にCHAGEandASKAの曲を聴いてみたら、私の知っていたCHAGEandASKAよりずっと進化していて驚いたことをはっきり覚えています。

そのうちの「太陽と埃の中で」で私はまた心が大きく揺さぶられました。歌詞と力強い曲調がそのときの私自身の思いと重なり何度となく聴きました。歌の意味を理解することはまだ難しかったのですが、最後の英語の’Day and nighttime〜’の中の「seek」で曲全体を自分なりに納得し解釈してまた繰り返し聴くという。この曲がきっかけだったのか未だに自分でも分かりませんが、私はこの数年後留学を決意します。一流企業のOLを辞めて海外で学生になるということは、当時の私には初めての大きな決断です。

コンサート「SAY YESツアー」はどうだった?

コンサートは、、、席はステージから見て左側、最前列でした。ASKAさんが目の前です。あまりの近さに感激しライブ中は声量に圧倒されてしまいまして、なにも覚えていなくて、、記憶がとんでいます。その会場のステージと一列目の間隔は、都内の大きな会場と比べて桁違いに狭いのです。1番前なので舞台セット全体を観ることがなかったし、CHAGEさんをみる余裕もなくお2人の衣装も覚えていない、観客の様子もわからない、、本当に何も思い出せないのです。目をつぶって思い出そうとすると、ASKAさんの汗と眼差しが目の中の映像として残っています。(どれだけ凝視してたんだ!)

Higher ground 鑑賞まで

私は留学から帰国し、外資系企業に再就職しました。仕事はキツく毎日新しい壁にぶつかっていましたが、自分で決めたことだし進むしかないと思い無我夢中でした。そしてその間に家族が出来ました。

忙しい毎日で仕事から帰ると家事が待っていて趣味の時間はほぼゼロ。そんなタイムテーブルでしたが、子供が大きくなると変化してきます。そして子育てが落ち着いた頃ASKAのクラシック融合コンサートの様子がTVで放映されていて、たまたま目にしました。

「クラシック?発想が今までにない気がする、新しい!そしてASKAの音楽に合いそう!」が最初の感想です。実際TVで見る限り素晴らしかった。

PRIDEを聴いて

今は興味があれば情報はすぐに手に入ります。

billboard classics ASKA PREMIUM SYMPHONIC CONCERT 2018 -THE PRIDE-のセットリストをみて、やはりPRIDEを聴きたいと思いました。タイトルにPRIDEが入ってるし。久しぶりにPRIDEを聴きました。・・・子供と一緒に親子見学会のバスの中、子供たちは疲れて果てて寝てるけど、、、どうしよう、涙が止まらない、拭っても拭っても抑えられない。自分が苦しかったときのことが鮮明に思い出されてしまう。私にとって”マリア様”は・・・辛かった時に母からかけてもらった何気ない言葉が心に沁みたこと、友人が大自然の中に連れていってくれて大手町の高層ビルの中で疲れきっていた私は友人と大自然に癒されたこと、その時々の言葉や場面がよみがえる。そして、本当に本当に苦しくて誰にも相談出来ず四面楚歌で真っ暗だったあの時、、私に少しだけ前を向かせたものは、自分の中に残っていた最後の最後の小さなかけらのような”誇り”だったのかも?ずっと忘れようとして、なかったことにしていた記憶がフラッシュバックし嗚咽しそう。前に聴いたときに、もちろん「いい曲」と思ったけど、全然感じ方が違う。ASKAさんがこのタイミングでこの曲を選んだ理由を考えたりしたら違う種類の涙が襲ってきた。とにかく涙が出てどうしようもなかった。

ASKAのライブに行きたい!生で聴きたい!

ASKA premium ensemble concert –higher ground-は、チケットを取れそうにないので、次のコンサートまで待とうかな、そのときは地元にしようかななどと思っていたら、、東京文化会館で追加公演!?祝日!?すぐに予約しました。

ASKA premium ensemble concert –higher ground-東京文化会館

2/11当日、コロナはすでに広がりつつあり心配する家族からのアドバイスを受けてマスクを2枚重ねて会場へ向かいました。最後の2曲PRIDEとBIG TREEは涙なしでは聴けないから替えのマスクを2枚、ハンカチタオル3枚ポケットティッシュ5個をバッグへ。

東京文化会館は、通常オペラやバレエが行われる会場です。子供が通っている学校から近いのでよく前を通りますがホールに入ったことはありません。初めて入りました。外からは分からなかったけれど、大ホールは重厚な雰囲気です。

観客は男性の方が多かった気もしますが、半々かな。満員の席を見渡すとカメラが2ブロック隣にあり、収録するんだった!と意味もなく緊張しました。

開演!最初から会場全体盛り上がっていて、オーディエンスもステージ側もテンション高く、すごい熱気でした。

私が強く感じて特記すべきは、選曲の幅の広さ。ライブだけでなくアルバムもシングルリリースも。’SAY YES’の次のシングルリリースが’僕はこの瞳で嘘をつく’だったと記憶してます。そのときも「え?”太陽と埃の中で”から”SAY YES “そして”この瞳で嘘”?」と思いました。多彩で多才、バラエティ豊かでそのひとつひとつの曲が完璧で表現される世界に引き込まれます。

○セットリスト

1 僕はMusic

2 Hello

3 天気予報の恋人

4 Fellows

5 修羅を行く

6 しゃぼん

7 はじまりはいつも雨

8 good time

9 帰宅

10 RED HILL

11 歌になりたい

12 You & Me

13 HEART

14 百花繚乱

15 higher ground

16 青春の鼓動

17 今がいちばんいい

18 Be Free

19 We Love Music

アンコール

20 一度きりの笑顔

21 PRIDE

22 BIG TREE

何曲かは歌う前にその曲に関してのエピソードを語ってくれました。私にはすごく嬉しかったし頭の中で情景をより鮮明に描くことが出来ました。「帰宅」と「1度きりの笑顔」の話は忘れられない。

一方で、なんの手掛かりもない曲もよいのです。矛盾してるんですが。私にとって難解な歌詞が多いので、理解しようと五感を研ぎ澄ませ音を聴き、歌詞を見入るその上で人生経験を重ねて解釈していく、それもまた楽しみなのです。

そして、やっぱり盛り上がりと一体感はライブの醍醐味。ASKAの声量は凄まじく正に絶好調、客席も熱い。

アンコールではPRIDEとBIG TREEの2曲で私の涙が止まらないだろうと予想していたのですが、「1度きりの笑顔」から感情が高まり始め、コンタクトレンズが流れてしまうかと思うほどの大きな一粒の涙が知らぬ間に目からこぼれました。もう涙は止められません。「ここは、親子遠足のバスの中じゃないよ、自由にして」と自分を解放してあげて泣きたいだけ泣かせていただきました。

閉演です。余韻に浸っていたいけど、子供たちが待っている自宅へと向かいます。涙乾かないまま止まらないまま地下鉄へ。

この後、新型コロナウイルスによって世界中が大変なことになりました。日本でも緊急事態宣言発令され、私が役員として勤める会社も例外なく大混乱、解除後も経営は逼迫し辛いとか投げ出したいという感情さえ許されない緊張が続いています。

(その間にも、ASKAさんは新しいことにどんどん向かって進んでいて驚異的だなあ、と自分が若い時の感想と一緒ですが^_^ その新しいことへの挑戦がどんなに強い意志と精神が必要か、加えてこの状況下で成し遂げるのはどんなに困難かを自分が10〜20代の時よりは理解しているつもりなので「驚異的」という言葉は同じでも重みは違います。)

お読みいただきありがとうございました。

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